「溶存酸素量とは」



溶存酸素量(DO)とは、水中に溶け込んでいる酸素の量のことです。川の魚、水質改善、下水処理など、水環境のほぼ全般にわたり影響を持つ指標です。身近な現象からDOを解説します。


溶存酸素量とは、水中に溶け込んでいる酸素の量のことです。化学・工学の分野ではDO(Dissolved Oxygen)と表示され、単位はmg/Lで表記されます。空気中に酸素が20%前後あるのと同様、水中にも酸素が一定量溶け込んでいます。溶け込める量は、水の温度によって変化します。

一般に水温が低下するに従って、溶け込める最大量(飽和溶存酸素量)は大きくなります。水温が上昇するに従って、飽和溶存酸素量は小さくなります。高温では水分子の運動が活発になり、水中に存在できる酸素量が少なくなるイメージです。0度、1atmにおける飽和溶存酸素量は約14mg/Lとなっています。簡単に測定できるハンディタイプの測定器も便利ですが、正確に測定するには滴定による算出が必要です。

溶存酸素は水中のあらゆる生物活動に影響を与えます。例えば、夏場に渓流釣りをする人は魚が瀬か発泡の下にいることに気が付くでしょう。それは、水温の関係と共に、こうした場所は溶存酸素が多いからなのです。金魚を飼うときのブクブクもDOを維持するための装置です。

さらに、よどんだ湖沼では不快な臭いが鼻につくことがありますね。それは、「沼が汚いからだ」と言えばそれまでなのですが、次のようなメカニズムによるのです。まず、沼に生活排水やごみなどの有機物が流入します。それを微生物が分解しはじめ、酸素が消費されていきます。止水面からの酸素供給は緩やかなため、徐々に湖沼内は貧酸素状態になってゆきます。その結果、嫌気性微生物が有機物やそれを分解した微生物を消費し始め、硫化物が発生します。これがいわゆる「ヘドロ」の臭いとなるわけです。

同じ原理で、浄化槽には曝気槽が付いています。流入した有機物を微生物が分解し続けられるように空気を送り込んで酸素を供給しているわけです。

DOは河川や湖沼の環境指標の一つです。他の生物化学的酸素要求量(BOD)や化学的酸素要求量(COD)、浮遊物質(SS)、総有機炭素(TOC)などと対照的に、数値が低いほど水質が悪いことになります。