「女性用競泳水着の最高峰」



男女を問わない競泳用水着の最高峰・レーザーレーサー。スピード社のこの水着は北京オリンピックを席巻しました。どんな経緯で日本選手団はこれを着用するようになったのでしょうか。


競泳用の水着は、海やプールで使う水着とは全く違いますね。まず、デザインは速く泳ぐことを最優先して作られています。大体黒や紺一色で統一されています。私たちが競泳用水着を目にする場面といえばオリンピックですが、今回の北京オリンピックでこの競泳用水着に大激震が走ったのを覚えておられるでしょうか。

震源地はいわずと知れたスピード社です。2007年までミズノと深い関係にあった同社ですが、ミズノと決別したため、日本の五輪チームには水着を供給していませんでした。しかし、同社が個人契約している選手に供給した水着たるや、凄まじいものでした。「レーザーレーサー」と名づけられたその水着は、まず締め付けがすごい。一人で着用もままなりません。誰かに手伝ってもらっても、全身型の水着は30分かかります。

しかし、その競泳用水着の効果たるやもっとすごい!世界新記録が出るわ出るわ、半年足らずで30個以上の世界新記録が出てしまいました。殆どの選手が自己ベストを塗り替えるその効果に、世界が驚愕しました。体を締め付けて滑らかにする効果と、表面の撥水効果が関係あるようです。こうした背景から、女性用水着といえども太ももまで覆う長さになりました。

この効果に青くなったのは日本五輪チームです。水着の段階でハンディを負ってしまうからです。しかもオフィシャルサプライアーは決まっていますから、勝手にスピード社の水着は着られません。すったもんだの挙句、選考会で試着してみて、結果を見て決めようということに。その選考会、17の新記録のうち、16がレーザーレーサー着用でした。全ての選手のタイムが上がった訳ではありませんが、さすがの日本水連もスピード社の競泳用水着着用を許可したのでした。

後の顛末はご存知の通りです。北島康介選手は2冠を勝ち取りました。この成功の裏には、スピード社の競泳用水着があったんですね。